この記事は以下のような悩みを持つ方向けに書いております。
何とかYGサーブを出せるようになったけどなかなか下回転がかからない
ここではYGサーブで下回転が出せるようになるためのアプローチとして、2つの要素を考えました。
この2つのうちの一つを克服すれば下回転が出るようになるかもしれないし、もしかしたら両方見直す必要があるかもしれない。はたまた、この2つ以外の部分に問題があるかもしれない。
いずれにしても、参考になれば幸いです。
下回転YGのための2つの意識
1.インパクト時の前傾姿勢を意識
YGサーブで下回転を出すためには、最低限、ラケット面が地面に対して水平になっていなければなりません。ラケット面が水平になっていないと、ボールの底をとらえることができないからです。
そしてラケットの水平を作り出すためのひとつの考え方として、身体を前傾させることが挙げられます。
【A1】身体が垂直な状態
【A2】身体を前傾させた状態
上の2つの画像は全く同じ体勢の人物を回転させて倒しただけですが、これだけでラケット面の水平が出やすくなることが分かります。
さらに、この前傾姿勢にはいくつかのメリットがあります。
メリット1:体重移動を兼ねている
身体を前傾させることにより、自然と体重移動ができるような打ち方になります。
サーブを出す際の体重移動が重要な理由は以下の記事で紹介しています。
メリット2:目とボールの移動方向が同じ
前傾姿勢をとる過程で、目の位置がボールの落下に合わせて下方向に移動します。
インパクトの瞬間まで、落下してくるボールを割と近い距離で見れるので、空振りが少なくなります(多分、多くの人にとっては)。
目線の近さと打球の安定性については、以下の記事でも触れています。
参考記事:卓球における打球の安定性に影響する要因
デメリット:身長が低いと難しい
この前傾姿勢をとると、図からも分かるとおり打点がやや下がるのですが、身長が低い選手にとってはここがネックになる場合があります。
女子選手でYGサーブを使う人が少なかったり、使う人でもこの前傾姿勢をとらない場合が多いのはこの辺が原因であると私は考えています。そのあたりは、また別記事で解説していきます。
注意点:落下してくるボールが頭で隠れないようにする
2019年12月の国際大会(ITTFグランドファイナル)で試験的に導入された、チャレンジシステム。サーブのトスの高さや垂直性(真上に投げ上げているか)などがビデオ判定されることとなりました。
その中で、中国の馬龍選手の投げ上げたボールが落下中、彼の頭に隠れて見えなくなっているという点についてビデオ判定が行われ、アウトと判定されました。今までは結構黙認されていた部分ではありますが、今後のテクノロジーの発展次第では一般の大会でも厳しく見られる可能性があります。練習の段階から注意しておきましょう。
2.身体に近い位置でのインパクトを意識
一般的なYGサーブの振りを図示すると、以下のようになります。
※上から見たところです。足は省略しています。
ひじを支点として弧を描くような振りです。
このとき、同じようにボールの底をとらえるにしても、どの段階でとらえるかで回転のかかる方向が変わってきます。
ボールを前に飛ばすことを前提とすると、【B1】であれば下回転がかかりますが、【B3】ではジャイロ回転に近い回転になります。
つまり、下回転をかけたいのであれば、できるだけラケットの振りはじめ部分での打球を意識してみるといいでしょう。
そのための解決策として、トスを上げる位置に注意することが挙げられます。
- より自分の身体寄りに
- より自分の利き手側寄りに
トスを上げることで、ラケットの振りはじめで打球しやすくなります。1.の体重移動も考慮しつつ、トスを上げる位置を決めていきましょう。
まとめ
YGサーブは身体の動かし方が複雑で、その分、難易度も高いです。そして複雑な分、バリエーションに富んでいます。いろいろなモーションやフォロースルーがあります。
今回ご紹介した内容は、あくまで解決に向けた一例にすぎません。いろいろな人の真似をして身体を動かしながら、自分に合った方法を編み出していってください。