メニュー 閉じる

右利きvs左利きにおけるフォア前への順横回転系サーブの利点

前置き

全日本選手権の話

今年(2020年)も全日本選手権が終わりました。宇田幸矢選手、強かった!戸上隼輔選手も。張本智和選手がたまらず守勢に回ってしまうほどの爆発力でした。時代は全球チキータなんでしょうか。

そして女子は早田ひな選手。2人のオリンピアンを撃破しての優勝でした。おめでとうございます。私は身長と利き腕が早田選手と同じなので、勝手に親近感を覚えております。年齢が2倍のおっさんが若い子に抱く親近感は、ハラスメントになりますかね?親近感ハラスメント。シンハラ

印象に残った試合

そんな中、個人的に印象に残ったのが、男子準決勝の宇田幸矢選手vs吉田雅己選手の試合。宇田選手のチキータを封じるべく、フォア前への順横回転サーブを徹底する吉田選手。宇田選手は回り込んでのチキータか、台から出た球に対しては打点を落としてループドライブで対応していました。

今回は、そんな「右利きvs左利き」のサーブの組み立てに着目し、中でもフォア前への順横回転サーブが多用された理由、そのメリットについて探っていきます。

右利きvs左利きにおけるサーブの組み立てについて

対戦相手の利き腕が自分と異なる場合、

  1. フォア前からミドル前へのサーブ
  2. バックへのロングサーブ

の2つを中心に組み立てる傾向があります(ただし、相手の各技術の得意・不得意によって変わります)。特に相手がチキータを得意としている場合は、この傾向が顕著です。

よく使われるサーブコースの図

この2つが中心になる理由は、過去に別の記事で解説しています。

一般的には上記の2つのコースの中でも、バックロングサーブは意表を突く場合のように、出す回数が限られます。その理由は単純で、台から出るような長いサーブは、レシーバーにとってはラケットのスイングが台に邪魔されないため、強打しやすいからです。

だからと言ってサーブをフォア前ばかりに出していると、レシーバーはこれに対応するために立ち位置をフォア前寄りにずらすことで返球がやりやすくなります。そこで牽制のために、たまにはバックロングサーブが必要になってきます。

フォア前への順横回転サーブの利点

フォア前への順横回転サーブの利点は、なんといってもレシーブのコースを限定しやすい点であると思います。複数の要因により、自分のバック側への返球確率が高まるのです。

返球のコースが限定できれば、3球目で回り込んで攻撃する、早い打点でバックスマッシュを狙うなどの心の準備ができます。

ここではその要因をひとつずつ見ていきます。

1.台の長さの影響(クロスとストレートの選択)

クロスへの返球とストレートへの返球を比較したときに、クロスの方がネットから台の端までの距離が長いため、クロスへの返球の方が難易度が低くなります

クロスとストレートの比較図

2.順回転スピンの影響

順回転サーブの球の回転の影響により、普通に裏ソフトラバーで打球すると自然とバック側に返球されやすくなります。

順回転による影響の図

3.台上処理であることの影響

これはフリックやドライブのように、フォアハンドで対処するときの要因です(チキータは除きます)。

レシーバーは短い球を処理するために利き足を台に向かって踏み込んで対応しますが、このときの体勢がすでにクロスを狙いやすい体勢になってしまっているのです。

打球体勢の比較図

「台が邪魔であることによる影響」と言い換えてもいいでしょう。ここからストレートに打つためには、

  • 手首を開く(反らせる)
  • より引き付けた状態で打つ

などの工夫が必要になります。

まとめ

このように、フォア前への順横回転サーブは自分(サーバー)のバック側へ返球される要因が複数あることが分かります。

テレビ中継の中では、解説の宮崎さんが「後手の先手」という言葉を用いていました。「レシーブの方向が自分のバックサイド」ということがある程度分かっているのであれば、たとえレシーブが攻撃的でも3球目で優位に立てるという考え方です。

↓今回の話のまとめ動画です。

応用例

以下は応用例です。ちょっと図を描く気力がなくなってしまったので、今までの話をもとに頭の中でイメージしていただければと思います。

2020年1月追記:ページ下部に動画を追加しました。文章が分かりにくかったらそちらをご覧ください

1.順横回転を逆横回転にした場合は?

同じ状況でフォア前へのサーブの横回転を逆にすると、前節の「2.スピンの影響」の部分が「クロス方向へ飛びやすい」から「ストレート方向に飛びやすい」に変わってしまいます。

レシーブコースを限定するという考えのもとでは、あまり有効な策ではないことが分かります。

2.右vs右、左vs左の場合は?

この場合、今回の例とは相手の「フォア前」の位置が変わります。相手のフォア前の位置が変わると、相手にとっての「クロス打ち」が自分にとっての「フォア側」への打球になります。

なので、この場合は順横回転ではなく逆横回転のサーブをフォア前に出すことで、3つの要因がすべて「クロス方向への返球の要因」となり、相乗効果を発揮しやすいことが分かります。

↓動画【フォア前順横回転サーブ・右vs左での利点~考え方の応用例~】