最近、物理のサイトでありながら英語にシフトしている 気がする。
さて、卓球をYouTubeでライブ観戦する方の中には、
アダムさんの解説のテンションが好きなんだけど、もう少し何を言ってるか分かればなあ
 
こう思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
アダムさんは解説が優れているだけでなく、発音も標準的なアメリカ英語の発音なので、卓球は好きだけど英語が苦手、だけど勉強したい という方へのリスニング教材として使うのもアリなんじゃないかと思ったりします。
難点は、時々歓声が大きかったり、点を取ったときの選手の声が大きかったりすると解説が聞こえにくくなることですかね(我らが日本代表をdisってるわけではございませんよ!)
ということで、ここでは基本的な卓球用語と、アダムさんの解説で出てきやすい定型句についてまとめていきます。
注:以下の日本語訳には意訳も多いので、学校のテストで書いたら間違えるかもしれません!
 
2021年1月追記:動画解説を追加しました。このページの下部に埋め込んでいます。
卓球用語系 
サーブ系 
Bottle challenge serve ストレートへのロングサーブ  
ボトル・チャレンジ・サーブ。特に林昀儒の試合(対右利きの選手)でよく使われるほか、張本智和の試合でも聞くことが多い。 
 
 
Kick serve 上回転系の速いサーブ  
キックサーブ。伊藤美誠のサーブに対して使われることが多い。上回転系の成分により、バウンド後に地面を蹴り上げるようにして勢い良く向かってくることからこのように呼ばれる。観戦者の視点では、レシーバーがラケットのカドに当てるようなミスをしたときに、このサーブが出されたという推測が立つ。 
 
 
Pendulum serve 順横回転サーブ  
ペンジュラム・サーブ。振り子サーブ。 
 
 
Reverse pendulum serve 逆横回転サーブ、YGサーブ  
リバース・ペンジュラム・サーブ。逆振り子サーブ。日本ではYG(ヤング・ジェネレーション)サーブと呼ばれているが、YGはいずれYGではなくなるわけで(OG=オールド・ジェネレーション?おっさんジェネレーション?)、私がおじいちゃんになったときにこのサーブがどう呼ばれるのか、少し楽しみにしている。 
 
 
Shovel serve 巻き込みサーブ  
シャベル・サーブ。シャベルで掘るような動きから。 
 
 
台上技術系 
Banana flick チキータ  
バナナ・フリック。チキータ(chiquita)ということもある。 
 
 
Banana split チキータ(横下回転系)  
バナナスプリットはアメリカの伝統的なアイスクリームのデザート。バナナが上向き(下に凸)になっていることから、通常のチキータ(バナナフリック)の軌道と異なることを表現している。フリックとスプリットの発音の違いは、少し聞き取りづらいかもしれない。 
 
 
Ice cream cone flick フォアフリックの一種  
アイスクリーム・コーン・フリック。正式名称不明だが、日本ではワイパー・フリックなどと呼ばれたりすることがある。打球の際に車のワイパーのようにラケットを動かし、クロス狙いと見せてストレートへ送るようなフリック。海外ではこの動きの過程でラケットが垂直になった状態がコーン付アイスクリームに似ているとして、この名前がついた。 
 
 
Pancake flip フォアフリックの一種  
パンケーキ・フリップ。ストップかツッツキでの返球を匂わせながら手首を返してフリックすることをこう呼んでいる。パンケーキをひっくり返すときの動きと似ているため。 
 
 
Strawberry 逆チキータ  
いちご。伊藤美誠が出場している試合の解説で使われることが多い。海外のYouTubeコメント欄の噂によると、アダムさんが名付けたらしい。一説によると、肘から先の部分のスイングで描かれる扇形の図形がイチゴに似ているからなのだとか。 
 
 
ラリー系 
Chop block カットブロック  
チョップ・ブロック。丹羽孝希が出場している試合の解説で使われることが多い。派生して”tomahawk chop block”(トマホーク・チョップ・ブロック)と言われることもある。斧のように振り下ろしたカットブロック。 
 
 
Down the line ストレート方向に  
ダウン・ザ・ライン。テニス観戦で聞いたことがある人も多いかもしれない。 
 
 
Inside-out 回り込みフォアハンドをクロス方向へ  
インサイド-アウト。「回り込み」と書きましたが、回り込んだかどうかは関係なさそう。特に身体に食い込んでくるような軌道の打球に対して、クロス方向を狙ったときはこの表現が使われることが多い。 
 
 
Parallel ストレート方向に  
パラレル(発音:ぺァラレォ)。ダウン・ザ・ラインとほぼ同じ意味だが、単独で使われることは少なく、”parallel forehand” “parallel backhand” “parallel shot”などの組み合わせで使われる。 
 
 
Push ツッツキ  
プッシュ。日本ではプッシュというと、ペンホルダーの選手がバックハンドでフラットに押し込むような打球を指すが、海外ではツッツキ全般を指す。 
 
 
Shoulder stroke reaction shot 肩甲骨打法  
ショルダー・ストローク・リアクション・ショット。日本人選手の試合解説ではあまり出てこない。 
 
 
Right off the bounce バウンド直後  
ライト・オフ・ザ・バウンス。ボールがバウンド後の頂点を迎える前での打球。テニスでいう、ライジングショット。前陣速攻型の選手が多い日本の試合の解説ではよく出てくる。 
 
 
RPB (Reverse Penhold Backhand) 裏面打法  
ペンホルダーの裏面で打つバックハンド。あーる・ぴー・びー。裏面打法の使用者が出場している試合の解説で使われることがある。 
 
 
Step-around forehand 回り込みフォアハンド  
ステップ-アラウンド・フォアハンド。回り込んでのフォアハンド。 
 
 
Top of the bounce バウンド後の頂点  
トップ・オブ・ザ・バウンス。張本智和や伊藤美誠など、前陣から攻めていく選手の試合での解説に出てくる。 
 
 
Trajectory 軌道  
トラジェクトリー。水谷隼のように、ドライブの弧線の高低で相手を揺さぶることができるタイプの選手に対して使われることが多い。 
 
 
ラバー関係 
Inverted rubber 裏ソフトラバー  
インバーテッド・ラバー。裏返したラバー。多くの人が使うラバーなので、解説用語としては逆に使われることが少ない。 
 
 
Short pips 表ソフトラバー  
ショート・ピップス。短い粒。伊藤美誠が出場している試合の解説で使われることがある。粒高ラバーはLong pips(長い粒)というが、使用しているトッププロが非常に少ないため、解説で聞くこともほとんどない。 
 
 
得点関係 
Quality start 良好な立ち上がり  
クオリティ・スタート。野球ではQSが先発投手の成績指標(6回投げて自責点3以内)として認識されつつある。卓球の解説では、単純にゲーム開始後の立ち上がりの調子が良い選手に対して使われる。 
 
 
X (points) in a row X点連続で  
連続得点が伸びるほど強調されやすい。”Two in a row”(連続得点)という場合は、その2点が同じ得点パターンによるものである場合が多い。 
 
 
X points apiece X対Xの同点です  
直訳は「お互いににX点ずつ」 
 
 
with X game point(s) X点差でゲームポイント  
日本ではあまり馴染みがないが、英語ではゲームポイントを握ると点差も込みで解説される。「ゲームを取るためにX回挑戦できる」というニュアンス。 
 
 
X game points saved / ゲームポイントからX点凌いだ  
相手にゲームポイントを握られてから追い上げているときに使われる表現。 
 
 
~ up by X (points) ~ がX点差でリード  
勝っている側の視点から見た、点差の表現。 
 
 
Back within X (points) X点差(に迫る)  
追い上げる側が点を取ったときに多く使われる表現。 
 
 
↓ここまでの内容について、以下の動画で解説しています。VIDEO 
定型句 
Coming up! Right after this.  
ゲームが終わった後、ほぼ毎回口にするフレーズ。「(次のゲームは)この後すぐ!」のようなニュアンス。 
 
 
Players back for game No. X.  
こちらはインターバル後のゲーム(第2ゲーム以降)の冒頭に使われるフレーズ。 
 
 
in a (bit of) momentum  
(ちょっと)勢いに乗っている。ゲーム開始時に、前ゲームを取った選手に対して使われたり、連続得点中の選手に対して使われたりする。 
 
 
a complete domination / completely dominated  
完全なる支配/完全に支配した 
 
 
capitalize  
キャピタライズ。(チャンスを)ものにする。浮いた球などの甘い返球や、ラリー中にネットインがあった場合に「ものにした」「ものにできなかった」のように使われる。タイムアウトを有効に活用できた/できなかったという使われ方もある。 
 
 
as ~ as can be  
「目一杯の~」「これ以上ない~」というニュアンスで、ラリー中の、特に好プレーの場面で使われる。好プレーが出たらこのフレーズが出てこないか、耳を澄ませてみるのもいいでしょう。以下、いくつか実際の使用例。他にもたくさんの表現があります。 
 
 
その他、よく使われる言葉 
打球を表す言葉 
単語 発音 意味  
soft/solid 
ソフト/ソリッド 
(打球のタッチが)やわらかい/硬い 
 
deep/shallow 
ディープ/シャロー 
(打球が)深い/浅い 
 
spinny 
スピニー 
回転のかかった 
 
heavy spin 
ヘビー・スピン 
回転のかかった 
 
top & side spin 
トップ・アンド・サイドスピン 
横上回転 
 
side & back (under) spin 
サイド・アンド・バックスピン 
横下回転 
 
 
人物(プレイスタイル)を表す言葉 
単語 発音 意味  
versatile 
バーサタイル 
多芸な・多彩な 
 
unpredictable 
アンプリディクタブル 
予測不能な 
 
agile 
アジャイル 
機敏な 
 
adaptable 
アダプタブル 
適応力の高い 
 
sturdy 
スターディ 
頑丈な 
 
 
※随時追加予定です。