このたび、国際卓球連盟の名物解説者アダム・ボブロウさんが東京オリンピック2020でも実況解説を担当することが決まったとのことで、私もフォロワーがほとんどいないツイッターで人知れず歓喜しておりました。
やったね!
アダム・ボブロウさんが東京オリンピック2020の卓球実況解説決定https://t.co/rzmIo9xKaoいよいよ私の中でもテレビがオワコン化してきました。少なくとも卓球に関してはYouTubeで見ます
— Seiji Ochiai (@OchiaiSeiji) January 22, 2020
今回はそれを記念して(?)、昨年(2019年)のグランドファイナルで起きた珍場面を中心に、アダムさんの解説翻訳つきでご紹介したいと思います。
※リンク先はテレビ東京卓球チャンネルの動画です。リンク切れになったらすみません。
珍場面集
以下、選手の敬称略。
女子シングルス1回戦 陳夢vs銭天一
【状況】
第3ゲーム6-5から、陳夢が3連続でサービスをレット(ネットイン=やり直し)する。
【解説】
「レットは何回でもOKです。つまり理論的にはいつまででもやり続けることが可能で…あなたに永遠の命があるならば…今この瞬間にもどこかで誰かが…」
と言ったところで(おそらく馬鹿馬鹿しくなって)吹き出す。
「まあ、そんなことをした人は、今まで誰もいないでしょうね」
【動画URL】
男子シングルス準々決勝 許昕vs張本智和
【状況】
張本智和の3球目、ストレートへのソフトなフリックがわずかに外れる。リプレイで口を大きく開けて残念がる倉嶋監督が映る。
【解説】
「倉嶋監督も『あーーー』って言ってます。歯医者に来ているみたいです」
【動画URL】
男子シングルス準決勝 樊振東vs林高遠
【状況】
第2ゲーム9-8から、樊振東の打球が外れる。と同時に、プレイヤーの2人がボールを指差した。審判はいったんスコアを10-8としたが、2人の合意があり、ポイントはやり直しに。
【解説】
「何が起きたか分かりませんが、先ほどのポイントはやり直すことで双方の合意があったようです。レットがあったのでしょうか。球が割れていたとか?」
【動画URL】
男子シングルス準決勝 馬龍vs許昕
【状況】
第4ゲーム冒頭、許昕に対して機械からボールが2つ同時に供給される。
【解説】
「球2つ!?」
「お客様、お選びください」
「そちらですね、良い選択です」
【動画URL】
男子ダブルス準決勝 廖振珽/林昀儒vsボル/フランツィスカ
【状況】
ボルのサーブトスの高さに対して指摘が入る。これに対し、ボルがTTR(Table Tennis Review=チャレンジシステムのようなもの)を要求した。
判定はトスの高さ16cm以上のところ、17.2cmでセーフ。
【解説】
「ハハハ、ティモ(=ボル)がリプレー判定を求めていますが、今のは単なる注意(レット)ですよ」
※TTRはフォルト(失点)のときに要求するもので、レット(注意)のときは得点が動かないので基本的に不要
「あれ?レットだと思ったのですが。本当はフォルトで、私が聞き間違えましたか?レットって言ったと思ったのですが。あっ、でも判定するみたいですね。どうなるか見てみましょう」
(ドイツのベンチコーチが笑っている)「俺たちはこの件(トスの高さ)については万全の準備をしてきたんだ、受けて立つぜ、って顔してますね!ドイツ陣営はみんなワクワクしているみたいです」
「出ました、172mm。17.2cmです。さすがはティモ・マジック・ボル。23年間、プロとして活躍し続けてきた38歳は自分のサーブの性質をしっかり把握していました。『ちょっと審判の方のメンツを潰しちゃうかもだけど、リプレー映像に判定してもらうよ』と言っているかのようです」
【動画URL】
男子ダブルス決勝 樊振東/許昕vs廖振珽/林昀儒
【状況】
第3ゲーム3-2から、林昀儒がサービスの注意を受ける。このとき、主審はトスの高さを問題視していたが、副審はトスが垂直に上がっていないことを問題視しており、両者の見解が異なっていた。
【解説】
「サーブの注意です。垂直に上がっていないという…いや、これは面白い。主審と副審で別々の指摘がありました。主審はトスの高さに対する注意です」
【動画URL】
女子シングルス決勝 王曼昱vs陳夢
【状況】
試合開始前。サーブ権を決めるコイントスの際に、審判(女性)がコイントスを、手元を見ずにキャッチする。
【解説】
「ノールック・キャッチだと…!?」
「見ましたかみなさん?今、審判がコイントスの後、手元を見ずにキャッチしましたよ!?これに関してはリプレーが見たいですね。TTR(チャレンジシステム)で(トスの高さとかを見たい)。」
【動画URL】